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経済学部長挨拶

真のグローバルリーダーとは?
グローバル社会・情報化社会のなかの
経済学・経営学
経済学部長
近藤 広紀
グローバル社会・情報化社会に飲み込まれていく人間の尊厳

近年、人間の尊厳が脅かされる事態が頻発し、かつ深刻化しています。
これまでの歴史を見ても、グローバリゼーションの進展は、我々の生活を豊かなものにすると同時に、コミュニティ内部での、そして、コミュニティどうしでの、さまざまな利害や価値観の対立を引き起こしてきました。しかし、そのような対立は、時として多大な犠牲を伴いながらも、克服されてきました。
近年の情報技術の大きな進歩は、多様な考え方へのアクセスを容易にすることで、そうした対立や、それに伴う犠牲を、未然に防止し得ると考えられます。
しかしながら、実際には、情報の洪水のなかで、安易な偏った情報に流されたり、同じような価値観の人たちどうしの繋がりばかりが深まったりする傾向が懸念されています。こうしたことが、大小さまざまな対立を引き起こし、その解決を長引かせている要因であると感じられるのは私だけではないでしょう。
このままでは、良き社会の追求のためではなく、自分自身のため、あるいはせいぜい利害の一致する狭いコミュニティのためだけに、その力を行使するような「リーダー」が増えていくと思われます。そのなかで、相対的に弱い立場にあるひとたちは、そのようなリーダーの行動をコントロールするどころか、情報の洪水の中で方向性を見失い、偏った情報に踊らされ、その結果、他人の尊厳を疎かにするのみならず、自分たち自身の尊厳をも脅かす事態にはまりこんでしまうことが懸念されます。
大学における経済学と経営学の教育および研究は、まず、こうした現代社会の構造や現象を生み出した原因を探り、そのなかで自分自身を適切に位置づけ、そして、より良い社会を実現するために、自分になにができるかを積極的に議論し、追求していくためにあると考えます。

上智大学経済学部の挑戦

こうした状況のなかで、上智大学経済学部は、広い視野と先見性を兼ね備えたグローバルリーダーとなる人材を輩出することを目的に据え、そのためのカリキュラムを展開しています。
学問に近道なし・王道なし、というのは、経済学と経営学についてももちろん例外ではありません。すぐには成果の見えない、長い時間をかけた、地道なトレーニングが必要とされますが、とくに社会科学の場合、世の中に溢れる安易な偏った情報に流されることなく、モチベーションを保ちながら、勉学を継続していくのは困難です。
そこで、上智大学経済学部は、高い問題意識と意欲をもって勉学を進めていくための環境を、長い時間をかけ、様々な試行錯誤を経て整備してきました。その結果、特に、少人数の利点を生かしたカリキュラムや、多様なバックグラウンドをもつ学生と共に学ぶ機会は、以下のとおり、非常に豊富なものとなっています。
上智大学経済学部は、経済・経営の2つの学科から構成されており、各学科・各学年に165名の学生と約16名の専任教員が在籍しています。比較的少人数であることから、教員と学生が相互に顔の見える関係での教育を実現しています。より具体的には、初年次においては、クラスを単位とした導入教育、そして、学部後半においては、ゼミと呼ばれる専門・応用教育が展開され、主体的かつ協働的学びを通して、専門知識の定着と社会への活用を実現していけるものと期待します。
また、経済・経営の両学科は、他学部他学科(新聞学科、教育学科、社会学科および総合グローバル学科)とともに、“Sophia Program for Sustainable Futures”(SPSF)を開設しています。このプログラムは、国内だけでなく海外からも学生を募集し、すべての授業を英語で行い、経済学や経営学の学士号を授与します。経済学科は2020年秋、経営学科は2022年秋に第一期生を迎え入れ、経済学科では2024年にはじめての卒業生を送り出しました。他学科の講義科目も幅広く学ぶこともでき、地球規模の様々な課題について考える上で必要な多面的な視点の習得が期待されます。また、経済学部の通常のコースの学生ももちろんSPSFプログラムの授業も履修単位に含めることができます。これにより、世界からの留学生と机を並べて学ぶだけでなく、外国大学の学生と一緒に課題解決に取り組む機会も用意されています。
このように、多様な文化や価値観への理解を深めながら、専門知識を身に着け、それを活用していくことで、真のグローバルリーダーとなって、社会に巣立っていくことを願ってやみません。